Muleについて

intra_martのEnterprise版を購入すると、ESBとしてMuleなるものが付属してきます。詳しくは本家(http://www.mulesoft.org/documentation/display/JPNDOC/User+Guide)にあります。
ESBという言葉は、1996年のガートナのレポートの中に初めて出現したと言われています。異機種環境において、電話やFAXなどで連携を行っていたシステム連携をバスを用いて自動連携するためのものといわれておりまして、IBM SOAカンファレンスでのESB定義では、以下のようになっていました。

  1. ESBはデータサービスとネットワーク・コネクティビティを担う
  2. データサービスは宛て先を振り分け、メッセージディクショナリ、メッセージ変換を担う
  3. プロセスフロー制御はプロセス制御のカテゴリであり、ESBのカテゴリではない

ちなみにSAPでは、【エンタープライズサービスインフラストラクチャ】という考え方があり、NetWeaverの基盤技術がそれを担っているため、SAPにおけるESB製品というものは存在しません。今のところですけど。

私自身あまりうまく説明できないのですが、従来からあるEAI vs ESBという構図で課題と問題点をあげてみました。
EAIの課題・問題点

  • EAIは巨大になりがち
  • EAIの中に業務アプリが乗ってしまう事例も少なくない
  • EAIはエンド側にノウハウが残らない
  • EAIに業務の一部でも内包されてしまうと、エンド側で業務を自由に組み替えられない

ESBの課題・問題点

ちょこっとだけMuleを触ってみて、Q&A的なものを書いてみました。

  • Muleの導入メリットは?
    • 効率的に手足(対応プロトコル)を増やします
    • 既存Javaアプリを改修せずにサービス化できます
  • Muleでファイル転送できますか?
    • Muleはファイル転送ツールではありませんが、両ノードにMuleが導入されていれば、結果的にコーディングレスでファイルの受送信が可能です
  • インストールは簡単ですか?
    • Muleの配布サイトからZIPをダウンロードし、適当な場所に解凍し、環境変数を3つ(MULE_HOME,MULE_BASE,MULE_LIB)設定するだけです。
    • もちろん、JDK1.5以降のセットアップは必要です。
  • 文字コード変換、外字変換機能はありますか?
    • ありません。独自に実装してください。
  • 項目マッピング機能はありますか?
    • ありますが、別途ライセンスを購入する必要があります。